記事紹介2021年05月07日
三幸エステート(株)は7日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」(2021年第1四半期〈21年1~3月〉版)を公表した。
東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の坪当たり賃料は、3万5,309円(前期比640円上昇)と3期ぶりに上昇した。前期の大幅な下落を受け、今期は若干の調整となった。空室率は1.8%(同0.2ポイント上昇)と2期連続で上昇。在宅勤務の浸透や業績への影響を背景に、オフィス戦略の見直しを行なったテナントによる大口の退去床が現空となるケースが出ている。まとまった面積の募集床はテナント誘致に時間を要する状況に変わりはなく、今後も空室率は上昇が続く見込み。
Bクラスビル(基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、坪当たり賃料は2万49円(同383円下落)と、6期連続で下落となり、1万円台が近付いている。空室率は2.6%(同1.1ポイント上昇)と大幅に上昇し、4期連続の上昇となった。大口テナントの動きは鈍く、新築ビルへ移転したテナントの二次空室も空室率を押し上げた。
Cクラスビル(基準階面積100坪以上で200坪未満、築年数制限なし)は、坪当たり賃料が1万6,683円(同199円下落)と、4期連続の下落で、低下傾向が継続している。空室率は3.3%(同0.4ポイント上昇)と、4期連続の上昇。複数の新築ビルが空室を抱えて竣工したことや、まとまった面積の募集床で後継テナントが決まらずに現空となったことが空室率の上昇要因。ABクラスビルよりはテナントの動きはあるが、需要回復の動きは鈍く、今後も空室率の上昇が見込まれる。
(不動産流通研究所より引用)