記事紹介2022年07月29日
シービーアールイー(株)(CBRE)は26日、2022年第2四半期の全国13都市オフィスビル市場動向調査の結果を発表した。
東京(23区)のオールグレード空室率は4.3%(前期比0.3ポイント上昇)。オフィス集約による大型空室が発生した一方で、拡張移転や館内増床などで空室が消化された。オールグレード賃料は2万1,570円(同0.7%下落)。23年に控える大型供給を前に、需要獲得のための賃料調整が進んだ。
グレードA(※)の空室率は2.1%(同0.1ポイント上昇)、賃料は3万4,850円(同0.7%下落)。賃料が3万5,000円を下回るのは16年第1四半期以来、約6年ぶり。同様に大型供給を前にした賃料調整が進むと見られ、賃料は向こう1年間で3.0%の下落を予想している。
大阪はオールグレード空室率が3.8%(同0.1ポイント上昇)。縮小移転や減床による空室の発生が主因。オールグレード賃料は1万4,190円(同0.8%下落)。24年には過去最大の9万坪の新規供給を控えており、テナント確保のための賃料調整が進んだ。
グレードA空室率は4.3%(同0.5ポイント上昇)、賃料は2万4,650円(同0.8%下落)。来期以降に大型供給が見込まれるため、賃料調整が進んでいる。しばらくは需給緩和と共に賃料は下落傾向が続くと見られ、向こう1年間で2.2%下落すると予測した。
名古屋のオールグレード空室率は5.4%(同0.8ポイント上昇)。1棟貸しビルで、テナントが自社ビルに移転したことが主因。オールグレード賃料は1万3,790円(同0.3%下落)。テナントのコスト意識は高く、空室を控えるビルを中心に賃料調整が進んだ。
グレードA空室率は8.0%(同4.2ポイント上昇)。賃料は2万7,050円(同横ばい)と、20年第2四半期以降続いていた賃料の下落が一服。空室を抱える高価格帯のビルを中心に賃料調整が進む見込みで、賃料の下げ止まりは一時的なものと見ている。グレードA賃料は向こう1年間で3.3%の下落を予想している。
地方都市のオールグレード空室率は、10都市中2都市で前期比低下、8都市で上昇した。大型成約がやや足踏みし、100坪以上の空室が新たに複数発生した一方、駅近ビルで複数のまとまった空室が消化された。オールグレード賃料は8都市で下落、2都市で上昇。賃料が下落した都市では、競争力の劣るビルを中心に賃料の引き下げがあった。
※オフィスが集積するエリアの貸室総面積6,500坪以上、延床面積1万坪以上、基準階面積350坪(東京500坪)以上、築年数おおむね15年未満。
(不動産流通研究所より引用)