記事紹介2023年01月20日
シービーアールイー(株)は16日、首都圏の大型マルチテナント型物流施設の立地と賃料水準に関するレポートを発表した。
同社が集計対象とする首都圏の大型マルチテナント型物流施設は、2022年第3四半期時点で228棟・貸室総面積520万坪超。近年は立地の多様化が進み、圏央道外側でも供給されていることから、それらの施設における立地と賃料水準の関係を調査した。
首都圏の物流施設供給立地を「東京ベイエリア」「外環道エリア」「国道16号エリア」「圏央道エリア」の4エリアに分割して集計。この中でも、サンプル数が117物件と多い国道16号エリアにおいて、最寄りの高速道路インターチェンジ(IC)からの距離と想定成約賃料を比較。その結果、最寄りICから3km以内の立地では、距離の遠近が賃料に与える影響は少ないことが明らかになった。一方で、3kmを超えると距離が遠くなるほど賃料は低下する傾向がある。最寄り駅への距離との相関関係を調べると、2kmを超えると遠近が賃料に影響してくるという結果になった。
他のエリアにおいても同様の傾向がみられ、最寄りのIC・駅への距離で比較した立地と賃料水準には一定の相関関係があるとみられる。
ただし同社では、「物流エリアの評価はIC・駅距離からみた立地だけで決まるものではなない。近隣エリアの交通事情や物流拠点の集積度・雇用の確保しやすさなども考慮される。また、ランプウェイの有無や免震構造など物件の設備・スペックも重要な賃料決定要素となる」などと分析している。
(不動産流通研究所より引用)