記事紹介2024年12月10日

25年のオフィス市場は「環境改善」がテーマに

コリアーズ・インターナショナル・ジャパン(株)は30日、「2025年オフィス市場・物流市場マーケット予測」を公表。同日、説明会を開き、同社シニアディレクター&ヘッドの川井康平氏が解説した。

東京主要5区に位置するAグレードオフィスビルについて、25年は24年よりも供給量が増加し、20万坪弱程度、空室率は3%台後半になると予測。川井氏は、「今後供給が増えても、空室率はそこまで上昇することなく堅調に推移する」とした。

25年のオフィス市場は「オフィス環境改善」と「人材採用力強化」がテーマになると指摘。コロナ禍以降、交通利便性の良いビルへのオフィス移転や、従業員が働きたいと思えるオフィスに環境改善する需要が高まっていると説明した。その上で、「グレードが高く、好立地のビルに需要が偏ってきており、特に、コロナ禍で空室が増加していた品川エリアが回復している」(川井氏)と分析した。

物流施設については、コロナ禍の巣ごもり需要によりネット通販の市場が急拡大し、東京圏の空室率が0%に近くにまで低下。20~22年に、将来的な需要の拡大を見込んでの大型物流施設の開発が首都圏を中心に増加した。23年以降、それらが竣工し始めたものの、ネット通販市場の成長鈍化に伴って供給過多となり、空室率は上昇している。

同氏は、「25年の供給量は24年より減少する見込みだが、空室率のトレンドの転換は考えにくい」とし、近年の建設コストの上昇によって平均募集賃料の値下げ余地が小さくなっていることも空室率悪化に影響しているとした。そのため、より高い賃料水準が見込める高付加価値の冷凍冷蔵倉庫や危険物保管対応倉庫の開発が増えているという。また、4月に改正したトラックドライバーの連続運転時間の規則から、4時間以内に名古屋市に着ける神奈川・厚木エリア、同じく4時間以内に仙台市に到着できる埼玉・久喜、加須エリアなどの需要が高くなっていると説明した。

(不動産流通研究所より引用)

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